Impact Evaluation / Program Evaluation

山縣 力也
社会工学学位プログラム 博士前期課程2年 2025年度ゼミ長
<主な研究>
日本における資源の呪いの検証
石炭に着目し、大規模炭鉱の近隣地域では将来の経済状況が悪いという仮説を検証する。石炭は戦前の日本の産業を支え、その関連産業とともに日本経済の中核を担っていた。エネルギー革命の到来とともに石炭産業が衰退した地域が、資源の呪いの影響を受け、他の地域より深刻な経済低迷を経験した可能性がある。本研究は産業集積型地域に対して、産業転換に関する示唆を与える。
キーワード:資源の呪い, 規模の経済, 傾向スコアマッチング
※資源の呪い...天然資源に収入を依存した地域が、①資源枯渇やエネルギー転換②資源産業依存による他産業の衰退③教育・技術投資の遅れなどを通じて、長期的にはむしろ経済が低迷するという現象
非罰則的介入の犯罪抑止効果:渋谷区路上飲酒禁止条例を事例として
人々の意思決定は必ずしも合理的ではなく、罰則が効果を発揮しないこともある。本条例の犯罪抑止効果を検証することで、罰則に依存しない行動制御政策デザインの有効性を評価する。飲酒規制が暴力系の犯罪などの飲酒と関連性が高い犯罪に対して及ぼす犯罪抑止効果については先行研究で大量に報告されている。飲酒と関連性が低い犯罪を含め、本条例の犯罪抑止効果を検証することは、他地域における施策展開に有用なエビデンスとなる。
キーワード:合理的選択理論, ホットスポットポリシング, 合成コントロール法
※本研究の分析に際し作成したパネルデータは、スクリプトとともに以下のページにて公開しております
https://commons.sk.tsukuba.ac.jp/data『東京都町丁字別罪種及び手口別認知件数パネルデータ化(年次・月次)プロジェクト』